約束だって破りたい

お前が好きさ、大好きさ!

音楽劇 マリウスとわたしのはなし

⚓舞台まで

6月18日、朝8時ごろだったと思う。

 

大阪北部を中心として、最大深度6弱の地震がありました。

人間、ありえないと思っていたことに直面すると、頭真っ白になるもんですね。

 

テレビに映っているのは、普段遊びに行く大阪の街。震度5とか6とか、見慣れた町の名前が横に書いている。今は離れた故郷も相当揺れている。

幸い、家族も家も友人も、誰一人として怪我なく無事。個人的な被害は、帰りの電車がちょっと遅れた程度で済みました。

 

 

バタバタと普段よりせわしない1日の中、ずっとずっと頭の中をよぎっていたのが、舞台中の照史くんの事でした。舞台のキャストさんが「キャスト・スタッフ全員無事」と呟いてくださり、すごくホットしたのを覚えています。ありがとうございました。

当日のマリウスは公演中止となり、TwitterのTLには参戦組のつらそうな声や、「本日休演」の立て看板が出された大阪松竹の写真。

 

そして、奇しくも翌日、なにわぶ誌の更新当番が照史くんでした。

自分自身も大変である中、彼らしいというか、主演として背負う思いがあるのか、そこまで言わなくったっていいんだよ…と思わず言ってしまいたくなる内容で。

『更新も、(地震への)コメントも残さなくていい。ただ、彼の心と体が安寧であってくれたらいい』と思っていた一オタクとしてはもう、未だに胸が張り裂けそうになります。君のせいではないのに。一生懸命作り上げてきた舞台なのに。沢山の方に見てもらえるチャンスなのに。

なんともいえない切ない気持ちと、仕方ないとはいえ自然災害のタイミングの悪さに若干の苛立ちを覚える始末。

 

わたし自身、ブログの更新日翌日(6/20)に初観劇を控えている身でしたが、

「絶 対 行 く」

 という強い意志をより強固にしてくれたのもあのブログだったように思います。(※特性:ちのけがおおい)

遠征を止められたり、近隣とはいえストップがかかった子たちもいるかもしれない。何わたしが止まってんだよ。一生後悔するぞ!という気持ちのままに荷造りしてました。なにと戦ってるんだよ

 

同席予定の友人たちも、ありがたいことに予定通り一緒に来てくれました。

もしかしたら本震が来るかもしれない、不確定な中、一緒に来てくれてありがとう。

この場を借りて、お礼を言わせてください。

 

帰ってきて、忘れないようにこうしてブログを打っている次第ですが、心から行ってよかったと思っています。

キャスト・スタッフの皆様、舞台に関わる全ての方に言えることですが、自然災害という不測の事態で動揺する中、普段と変わりなくステージに立つこと。本当にすごいこと、プロの仕事だなと素人目ですが思います。

素敵な時間をありがとうございます。どうか、最後まで演じきれますように。

 

⚓本編感想というか、備忘録

※以後、舞台ネタバレあります

※個人の記憶に基づく感想なので、間違い・齟齬等々多発地帯

 

 

【照史くん、マリウスのこと】

まず舞台に出てきた瞬間、すっきりしている…!足が長い…多分8頭身ぐらいあるんじゃないかな~!!(瀕死)と驚きました。いや本当に腰の位置がいつもステージで見てる照史くんと違う。超高い。分厚めフィルター搭載の自分の目が信じられなかったので、友人たちに聞いてみたのですが同じく「8頭身」と回答いただきましたのでわたしの中ではマリウス8頭身です。はいはい最高。元々おきれいな上半身のラインもすごい。

登場シーンの荷物を持つ腕の筋だけでだいぶしんどかったんですけど、1幕後半、ファニーの家にベルトを忘れてきた時のマリウスのウエストが細すぎてしんどかった……本当にベルト落ちるんじゃないかなってぐらいの細さで驚愕。一体どうやったらそんなにシュッとなるんだろう……

 

そして歌がうまい~~~~~!(2度目の瀕死)

WESTの歌割りでは高音パートが多い印象だけど、照史くんの低音域すっごくいいですよね……地声の良さ溢れ出てる。2幕の手紙のシーン、ファニーと違う歌詞・同じリズムで掛け合うところもよかったし、何より最高にいいのが1部の夜に葛藤しながら歌→フラメンコに移行するところの歌。声の圧がすごすぎて、客席の椅子に張り付けられたような気持ちになる。息をのむような、ってああいうことなんでしょうか。

あるよ~あるよ~~と言われ続けてドキドキしてたフラメンコも、思ったより踊っててびっくり。テレビですこーし映ってたファニーとのダンス+αぐらいかと思ってたらめっちゃがっつり踊ってるGANA…!歌の話でも書きましたけど、夜、店の前で葛藤しながら踊るフラメンコがも~~~~めちゃめちゃにかっこいい。そりゃあ淳太君も今までで一番って言うと思う……

浮浪者っぽい見た目のおじさんに語りながらダンスに入るんですけど、朝ファニーと踊ってた時と同一人物とは思えないキレと迫力。掛け声が雄々しくて良い。そして覚醒するおじさん。めっちゃ強い。いい。網膜に録画機能があったらいいのに……って見ながらずっと思い続けてた。尚、なとりは照史くんがフラメンコの後汗をグッと拭きあげる仕草がとっても好きです。最The高。もう、この時点で多ステしたいとすでに思い始めてたわ。TwitterのTL、すっごくマリウスロスの民多いな~と思っていた私へ。お前も1部の冒頭で既にロスになりかけるから気をつけな? 

 

 

友人が「マリウスの洋服、1部の最初が一番船乗りっぽかった(デニムシャツ・赤スカーフ)」「話が進むにつれて、徐々に寒色が増えていく」という素敵な気づきをくれたので、自分なりに考えてたんだけど、マリウスの成長を表す要素のひとつなのかなって。

例えば、看護師にあこがれている子どもがいたとして、聴診器や注射器のおもちゃを持ってみたり、ワンピースのナース服・帽子を被った自分を夢見たりすると思う。マリウスにとってのそれが、あの赤いスカーフだったりするのかなって。全体的に服のカラーも鮮やかで、キラキラ=若さ・未熟さみたいな……でも、いざ職業についてみたらそれって削られていくじゃないですか。看護師だってワンピースのナース服や帽子は被らないし、注射器も常時持ってない。マリウスは夢が叶ったけれど、その中で現実を知り、機能的で現実的な衣服を着るようになる。キラキラとした気持ちも徐々に落ち着いてくる。それが服の彩度だったりするんだろうかと。

 

 

カーテンコールの話します。

キャスト皆でワイワイしながら踊りだして、気が付いたら客席も立たされて手拍子させてもらって、すごく幸せな瞬間だった……!劇中のフラメンコシーンで手拍子できないのがさみしいな~って思ってたの知ってた?って感じ。途中フラメンコに気を取られすぎて叩けなかったりしたけど!(笑)あの幸せな空間、わたし絶対忘れない。

 

 カーテンコールを観ながら、ラ・ラ・ランドのラストシーンを思い出した。

『もしマリウスとファニーが結婚して、マルセイユで幸せに暮らしていたら』の世界線を見せられているようで。とってもとっても幸せなシーンであることに間違いないけど、これはもう本編の二人に起こることがない未来なんだ、と思うとまた泣きそうだった。幸せすぎて。

舞台にずっとあるテーマのひとつが、『夢を追いかけることと、それに伴う取捨選択』かなと思ってみていたんだけど、西畑くんが演じていたプティとニャの関係もマリウスとファニーの関係との対比っぽい…?マルセイユで働いていたら、ずっと作中隣同士だった2人のようにいれたのに!と言われている気がしてならない~~そんな2人を含むキャストから、最後の最後に「ここはマルセイユ~」の歌を歌われるのすっごいエモい……

 

 

【ファニーとのこと】

瀧本美織さん、可愛い……!!ほぼ初見でお名前だけ知ってる位だったんだけど、すっかりファンになりそう。初見にも関わらず、何故か勝手に声の高いイメージを持ってたから話し始めて驚いた。綺麗なお姉さんの声だ……歌うっま!見た目もすごくかわいい……1部の最後に来ていた黄色いワンピースがすっごくお似合いでした…Aラインワンピースに白いリボン付きハーフアップがあんなに似合う人なかなかいない!スタダ所属だと知ってクッソ好きになってるわかりやすいドルオタ。

 

わたしが入った回では、マリウスがパニスに置いたカップから高すぎる水しぶき→パニスの口論が面白すぎる→ファニーが笑いすぎてなかなか次の台詞が言えない…というくだりがあったんですけど、可愛すぎて500万ほっこり。自担の「後で反省会な」が素でめっちゃ笑った

あまりにも魅力的すぎて、途中ファニーに肩入れしすぎて子どものマリウスに「そーだそーだ!」って言ってやりたい気持ち過多。1部はまだ子どものファニーをリードするマリウスというような感じだったけど、2部は立場が逆転しかかってて、マルセイユの大人の1人になってるファニーを観れてうれしいような切ないような気持ち…髪型でファニーもすっごく印象変わりますね。

 

観終わって、友人たちと感想戦をしているとき、ファニーのこと「昔愛し合ってて、今なお最愛の男が目の前に来てるのに『やめて』と言えるファニーすごいよな…」って話をしてたんですよ。

ところで、わたし、終演からずっと聞きたかった曲が2曲ほどありまして。うち1曲がこちら。

www.youtube.com

 

友人たちと別れてから、聞いて、気が付いて、ぼろっぼろに泣いた。

ああ、これファニーの曲だ……だからわたしはこの曲が聞きたかったんだろうか。わからないけど、この曲の最後の『GOOD BYE』が頭から離れなくて。

曲を聴きながら、妄想甚だしくもずっと考えてたんだけど、ファニーがマリウスとの子どもを産んで、パリスと夫婦になって、家庭を支えていきマルセイユの『ありきたりな女』になる間、マリウスはなにも干渉していなかった。

そりゃあ心のどこかでずっと考えて、最愛の人を思わない日はなかったと思うけど。ファニーにとって1部のマリウスが居た世界は『かつての素晴らしき世界』で、坊やが生まれてくる時なのか、パリスと結婚した時なのか、それがどこかわからないけど過去の美しい綺麗な思い出になってしまったのかなと。

だからマリウスの手は取らなかったし、取れなかったのかな。夢と理想で坊やを育ててはいけないし、マリウスの夢を遮ることにもなるかもしれない。切ないかな、最後の「マリウス!」が歌詞の『GOOD BYE』と重なる。

 

ファニーは本当に大人で、可愛くって慈愛に満ちた最高のヒロインだよ…(突然まとめる)(そして号泣)

 

くっそ余談ですけど、マリウスがファニーを呼ぶ時の「おいで?」が大好きです

 

山田洋次監督】

わたしは監督の作品を観るのが初めてで、詳しい友人に解説してもらって初めて知ったのですが、キャストの方々には、監督の作品では顔なじみのキャストさんたちが多かったようで…!時々舞台中に挟まるアドリブが心地よくて良かったなあ……

 

友人曰く、監督は『その時代の家族』を描くのがお上手な方。劇中でセザールはマリウスに「俺の気持ちが分からないのか」と言うけれど、私たちが気持ちをくみ取れなかったとしても、それは家族の間の話だから分からないことが当たり前なのかもしれない。

家族と言えば、パニスの坊やに対する思いがわたしは一番献身的でグッときたな。最初「ひょっとしたらこいつがこの劇の悪か…?」って思ってごめんね。彼は最初から最後までひたすらに善人だったわ……劇中で、セザールが言った「薄い薄い煙のような愛を、とにかく一番かけてきたのがパニスだ」という言葉は彼の努力の象徴。

家族の形なんてわたしもまだまだ探し続けている途中だけど、どんな形でもいいんだと肯定してくれるようなあの作品のあり方は素敵。

 

あと、びっくりしたことなんだけど作中、話している人たち以外、背景のキャストさんたちもずっと動いてて驚いた!口が動いてるから「あ、なんか話してるんだ」って思うし、動きでなんとなくストーリーが伝わる。出ている人たち1人1人に人生があって、どんどん街への愛着が沸いて、マリウスが出ていきたかったマルセイユを、まんまとわたしは嫌いになれなかった…

 

 

⚓わたしのことですが

アマデウスの時は、終演後、舞台に祈って客席を出た。

今回は、また違った、すごく誇らしい気持ちで客席を後にした。「わたしの自担かっこいいな」という気持ちで胸がいっぱいだった。

豪華なキャストさんに支えてもらっていることももちろん要因だし、プロだからと言われればそこまでかもしれないけど、初主演で、2か月でマリウスを作り上げて、そして不測の事態に襲われても安定してここにいる。なんてかっこいいことか。

「偶然は準備のない者に微笑まない」という言葉がありますが、チャンスが巡ってきたとき、それに躊躇なく飛び込めるかはその人の日々の努力・行いに直結する部分があるよなあと思っていて、その点照史くんは逃さずそれを掴んだんだ……と思うと涙があふれそうだった。わたしは彼が最初に出てきた、あのカーテンコールを絶対忘れない。

 

私事ですが、今、わたし転職活動の真っただ中にいます。

今の仕事は安定してるし、続けていけないことはない。でも、変化もない。転職先は、うまくいけば昔から夢だった仕事ができるところ。でも、不確定要素が多い。叶うかどうかもわからない。わたしも、何かを取捨選択するところにいるんです。このタイミングで、この舞台に出会えてよかった。ありがとう。

 

今回の舞台では、迷いに迷ってファンレターを書けませんでした。

自担に伝えられるなら、「おかげさまで転職活動はじめました」じゃなくて「転職決まりました」にしたかったから。いつでもチャンスに飛び込んでいく貴方の勇姿に、背中を押された人間がいることを伝えたかったから。

次に決まっている舞台、「ライオンのあとで」が開演する頃には、わたしの転職活動も節目を迎えるあたりです。その時には、貴方に手紙が書けることを祈って。

 

桐山照史くん、初主演舞台おめでとうございます。

どうか、最後まで怪我等なく演じきれますよう。

 

 

 

⚓️追記:6/24夜公演のこと

どうしてももう一度行きたくて、18日の振替公演におじゃましました。ええい意志が弱い。

照史くんはもちろん、たくさんのキャストさんが時間を調整して作って下さった公演に空席を作りたくなかったんだよ〜〜〜〜( ; ; )

という気持ちで挑んだら、最後に照史くんが『幕が上がると、こんなにたくさんの人がいて、なんとも言えない気持ちです(意訳)』と話してて泣くオタク(めんどくさい)

 

1人での観劇にびくびくしてたのですが、お隣に座ったエイターのおばさまがいいひとでホッとしてました。

エイトのファンだけど、レコメンやヒルナンデス!で宣伝したり頑張ってるのを聞いて観に来たっておっしゃってて、『ありがとうございます…』と謎コメントを何度も残してしまいすみませんでした。終演後お礼を言いそびれてしまった後悔( ; ; )ありがとうございました!

 

・最後に照史くんから挨拶あり。冒頭に書いた内容+18日のこと。

地震で来れなかった人のこと、一生懸命話してました。あまりに真面目すぎて他のキャストさんが笑ってしまうぐらい。まっすぐで、愛おしくてカーテンコールからまた泣くオタク。隣のおばさまと『らしいね』と笑って泣く。ホンッットおめぇ迷惑しかかけてねえな

 

・1回めより、マリウスとセザールのやりとりに泣きそうになる。2幕でマリウスが帰って来たとき、小さなカップにブランデーを入れるんだけど、1幕のはじめで『お前は見て覚えなさいよ』と入れてたのも同じカップにブランデーだった気がする……。

→そこから、セザールとしては『帰って来て店を継いでも』という気持ちも少なからずあるのかななんて感じました。親愛の形なのかな。そのシーンを挟んでから見る『俺の気持ちがわからないのか?』は重く感じる

 

・1回めは気づかなかったけど、最後お金を手渡すマリウスを1度抱きしめて離れる時のセザールのやりきれない、冷たくしきれない表情で泣く

 

・ファニーの靴。作中、多分4足を履き回してる(①最初の紫のパンプス②白いヒール③白いスリッポンサンダル④ラストシーンのパンプス)。

→ファニーが大人になるシーン(妊娠発覚後、手紙を読むシーン・マリウスを送り出すシーン)等はヒールを履いてて、まだ子ども扱いされてるシーンでは③のヒールのない靴って気がする……最後のシーンでは④の靴なんだけど、それが一番ヒールが高い気がするんですよね もし意図的なものだとしたらスゴイ

 

・1回めより後ろの席だったんだけど、カーテンコールでキャスト、客席に囲まれて拍手されて笑顔で踊る照史くんがより綺麗に見えてメッッチャ泣いた……